サイエンスニュースまとめは、 生まれたばかりのブログです。 応援して下さいね☆ お友達にもここを教えてあげて下さいね。

※取り上げて欲しいニュースやテーマを募集しています!コメント欄に書き込んで下さいね!!!

2018年04月

奇妙な原子「パイ中間子原子」の大量生成で真空とクォーク凝縮の謎に迫る

1: しじみ ★ 2018/04/22(日) 03:25:24.70 ID:CAP_USER

 理化学研究所、奈良女子大学、鳥取大学などからなる国際共同研究グループは、
「パイ中間子原子」という奇妙な原子を、従来の数十倍の時間効率で大量生成することに成功した。

 原子の中には電子と原子核が存在し、原子核は陽子と中性子によって構成される。
陽子や中性子を分割すると、素粒子であるクォークとなる。電子は他の粒子に比べ無視できるほど軽いため、
原子の質量はクォーク質量の和となるように思える。
ところが、実際はその100倍も重いという。これを2008年にノーベル物理学賞を受賞した南部陽一郎博士は、
クォークに「クォーク凝縮」がまとわりついているためだと考えた。

 クォーク凝縮とは、クォークと反クォークが対となり真空中に凝縮している状態のこと。
宇宙創成直後の高温・高密度状態では存在しなかったものの、その後宇宙が広がり冷えていく過程で発生したとされる。

 クォーク凝縮の存在を実証する鍵となるのが、原子核内部の精密測定だ。
原子核の中は水の約100兆倍もの高密度で、宇宙創生直後と同様にクォーク凝縮の量が減少していることが期待される。
そこで本研究グループは、原子核に電子ではなくその300倍の質量を持つパイ中間子を束縛させた
「パイ中間子原子」の精密測定に取り組んだ。パイ中間子は原子核表面をこするような周回軌道をとるため、
これを詳しく調べることで、原子核内部の情報を得ることができる。

 そして今回、理化学研究所が誇る世界最高強度の加速器を用い、
従来の数十倍の時間効率で大量のパイ中間子原子のデータを得ることに成功。これにより、
次のステップでは、より多くのデータから原子核内のクォーク凝縮の減少率を高精度で決定することを目指すとしている。

論文情報:【Physical Review Letters】
Spectroscopy of pionic atoms in 122Sn(d,3He) reaction and angular dependence of the formation cross sections
https://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.120.152505

大学ジャーナル
http://univ-journal.jp/20379/?show_more=1



続きを読む

人間の脳の構造は最大11次元 代数的位相幾何学を用いた分析結果(スイス研究)

1: 野良ハムスター ★ 2018/04/25(水) 09:57:07.99 ID:CAP_USER

昨年、既存の数学(代数的位相幾何学)を新しい手法で用いて、脳の構造を覗き見るという試みがなされた。そして判明したのは、脳は最大11次元で機能する多次元幾何学的構造を作り出せるということだ。

我々は3次元の視点で世界を考えることに慣れているため、あまりピンとこないことだろう。しかし、この研究結果が、我々が知る最も複雑な構造である人の脳を理解する上で次なる大きな飛躍になるかもしれない。

■代数的位相幾何学を用いて脳の構造を分析

この脳モデルは、スーパーコンピューターで人間の脳を再構築することを目的とするスイスの研究イニシアチブ「ブルー・ブレイン・プロジェクト(Blue Brain Project)」のチームによって作られた。

チームが用いたのは、代数的位相幾何学という物体や空間の性質をその変化にかかわりなく記述するために使われる数学だ。

その結果、神経細胞の集団が結合されて”クリーク(clique/小集団)”になること、ならびにクリークの神経細胞の数は高次元幾何的対象(high-dimensional geometric object/数学的次元の概念で、時空のものではない)としてのサイズを決めるということが分かった。

「想像したこともない世界が見つかりました」と研究チームのリーダーであるEPFL研究所のヘンリー・マークラム氏は話す。

「ほんの小さな脳の小片にすら、7次元にも達する対象が数千万もあります。一部のネットワークでは最大11次元もの構造すら発見されました」

はっきりさせておくと、これは空間の次元のことではない。そうではなく、神経細胞クリークの結合のされ方を究明するための、見方のことを言っている。

ネットワークは、網羅的に結合されたノード集合(クリークと呼ばれる)の観点から分析されることがよくある。そしてクリークの中の神経細胞の数がその大きさ、より正式に言うなら次元を決める。論文ではそう説明されている。

>>2につづく
http://karapaia.com/archives/52258715.html

image credit:the Blue Brain Project
no title


続きを読む

ペットボトルを分解できる酵素が実験施設で偶然に生み出されたことが判明

1: しじみ ★ 2018/04/17(火) 13:15:26.46 ID:CAP_USER

自然の力では分解することが難しいとされるPETを、
分子レベルにまで分解することが可能な酵素が科学者チームによって偶然生み出されたことが明らかにされました。
その基となった酵素は2016年に日本のゴミ処理場から見つかっていたもので、
今後は本格的なペットボトルの完全リサイクルの実現を期待させるものとなっています。

Scientists accidentally create mutant enzyme that eats plastic bottles | Environment | The Guardian
https://www.theguardian.com/environment/2018/apr/16/scientists-accidentally-create-mutant-enzyme-that-eats-plastic-bottles

この発見は、ポーツマス大学のジョン・マギーハン教授の研究チームによってもたらされたものです。
チームでは、2016年に日本のゴミの中から見つかった「プラスチックを食べるバクテリア」の研究を進める中で、
突然変異によりペットボトルを分解できる新しい酵素を作り出してしまったとのこと。
マギーハン氏は「驚いたことに、後になってわかったのは、私たちが酵素を改良したということでした」と述べています。

研究チームは、日本で見つかったプラスチック分解酵素の構造を詳細に分析するために
オックスフォードの近くにあるシンクロトロン「Diamond Light Source」を使って、
太陽光の100倍も強い紫外線を照射することで原子の構造を探っていました。
するとその中で、PET樹脂を分解できる酵素が突然変異で作り出されてしまいました。
この酵素はペットボトルを分解し始めるまでに5日かかりますが、
これは海中で自然に分解されるためには数世紀もの時間がかかることに比べると、
はるかに短い時間であるといえます。さらに、研究者は高速化が可能であると期待を寄せています。

マギーハン氏は、「目指しているのは、この酵素を使ってプラスチックを元の要素にまで分解することで、
文字どおりリサイクルできるようにすることです。これにより、石油の消費を減らすことができ、
環境に存在するプラスチックを減少させることが可能になります」と展望を語っています。

2018年現在、世界では1分あたり100万本のプラスチックボトルが生産されています。
しかし、その中でリサイクルされているのはわずか14%にとどまっており、
残りは埋め立てられるか海洋にゴミとして漂い、魚などに食べられて汚染を拡大しています。
また、最新のリサイクル技術には限界があり、
ペットボトルを分解してもカーペット用の繊維として使われるのが主流です。
これは、リサイクルの段階で十分な分子レベルの分解が行われないことが原因であるのですが、
酵素を使った分解だと従来よりも高い分解が可能になるとのこと。この技術が実用化されると、
ペットボトルを分解して再びペットボトルを作ることが可能になると期待されています。

また、この酵素を高温でも生存することが可能な「極限微生物(バクテリア)」に移植することで、
活動の領域を広げる可能性も期待されています。
ペットボトル素材の溶解が始まるセ氏70度の環境に酵素を移植したバクテリアを投入することで、
通常の温度環境の10~100倍速いスピードで分解させることが可能になるとみられています。

また、海洋などの環境に存在している他のプラスチックをバクテリアを使って分解することができる可能性も指摘されています。
ペットボトルは基本的に水に沈みますが、将来はこのバクテリアを海に散布することで、
海洋を汚染しているプラスチックを分解できる技術が開発される可能性が期待されています。

メルボルンのRMIT大学の化学者で研究には参加していないオリバー・ジョーンズ氏は
「この新たな研究結果は、非常にエキサイティングな内容を示しており、
社会で拡大しているゴミ問題解消の助けになる強いポテンシャルを秘めています」
「実用化までにはまだまだ多くの課題が残されていますが、正しい方向に進んでいることは間違いありません」の述べています。

関連ソース画像
no title


GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20180417-enzyme-eat-plastic-accidentally-created/


続きを読む

謎多き巨大ザメの超大群が見つかる、理由は不明 滅多に姿を見せないウバザメが約1400匹も、米北東海岸沖

1: しじみ ★ 2018/04/19(木) 12:14:53.96 ID:CAP_USER

 普段は単独で行動するウバザメ(Cetorhinus maximus)だが、
1000匹以上の集団が米国北東部沖で確認され、専門家たちを困惑させている。

 この群れは、絶滅が危惧されているタイセイヨウセミクジラの航空調査中にたまたま写り込んだもので、
過去数十年間の記録を詳しく調べるなかで発見された。
この研究結果は3月7日付けの学術誌「Journal of Fish Biology」に掲載された。

 世界最大の魚類であるジンベエザメに次いで、ウバザメは2番目に大きく、
体長は9メートルに達することがある。世界中に生息し、泳ぎは緩慢で、ろ過摂食でエサを取る。
人間に危害を加えることはない。(

 体は大きいが、主に深海にすんでいるためウバザメの追跡は難しい。
今回のようなついでの発見でもない限り姿を見せないので、データがなかなか集まらないと、
米海洋大気局(NOAA)北東漁業科学センターのフィールド生物学者で、
今回の調査を率いたリア・クロウ氏は語る。
「私たちの研究の目的は、偶然に頼らずにデータを集められるようになることです」

 クロウ氏らのチームは、1980年から2013年の間に、
カナダのノバスコシア州から米ロングアイランド島までの沿岸沿いで報告されたウバザメの大集団の記録10件を精査した。
すると、2013年11月5日に米ニューイングランド南部の沖で撮影された写真から、
少なくとも1398匹が一堂に会していたことが明らかになった。記録破りの匹数だ。

 データベースにあるおよそ1万件のウバザメ目撃記録を氏らが調べたところ、
その99%は7体以下の群れだったという。

■群れには子どもも

 サメの専門家は、ウバザメが群れを作る理由についていくつかの仮説を立てている。
他の種のサメは、エサを取ったり交尾したり、敵から身を守るために群れをなす。

 2013年に目撃された群れには子どもも何頭か混ざっていたので、
交尾のためではなく動物プランクトンを食べるために集まっていたのだろうと、クロウ氏は考えている。

 また、ウバザメはエサを食べるときに口を大きく開け、泳ぐスピードが落ちるので、
お互い列をなして水の抵抗を抑え、体力を消耗しないようにしているのではないかと、論文では推論している。

しかし、空からの調査だけで詳しいことはわからない。

「航空調査の結果は興味深いですが、これだけでは、
プランクトンの密度など環境的要素についてはあまりわかりません」と、クロウ氏は言う。

■謎多き神秘のサメ

 米マサチューセッツ州海洋漁業部に所属する上級漁業科学者のグレゴリー・スコマル氏もまた、
航空データだけでは集団を作る理由まではわからないと話す。

 スコマル氏はウバザメの集団と一緒に泳いだ経験もあるが、データ収集のために人を送り込んでも、
人間がいることでサメがいつもと違う行動をとる場合があり、すすめられないという。

 このような集団を見ると、「サメの神秘性はますます高まります」とスコマル氏。
なお、氏はこの研究に関与していない。

 だが、科学研究は一般市民の手を借りることもできる。
モス・ランディング海洋研究所の太平洋サメ研究センターは、
「ウバザメを見つけよう(Spot a Basking Shark)」という市民科学プログラムを企画し、
協力を呼び掛けている。(参考記事:「市民科学の始まり、1833年の流星雨」)

 ウバザメは、生涯の約90%を海の深いところで過ごし、残りの10%を水面近くで過ごす。
そのため、どんな目撃情報でも助かると、プログラムのディレクターを務めるデイブ・エバート氏は言う。

■「懸念される種」

 また、ウバザメが減少している海域があることからも、できるだけ多くの情報を得ることは重要だ。
NOAAは2010年に、太平洋北東部のウバザメを「懸念される種(「種の保存法」に指定されるには至らない種)」に指定した。

 20世紀に、肝油や皮を目的に乱獲され、米西海岸で減少した。そして、今なおその数は回復しないままだと、
エバート氏は言う。
 だが、「少ないとはいっても、元々の基準値がわからないのです。
姿が見えないからといって、全くいないわけではありません」とも付け加えた。

関連ソース画像
no title

no title


ナショナルジオグラフィック日本版サイト
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/041800178/


続きを読む
最新記事
_
記事検索
相互RSS
連絡先
おすすめ理系学問入門書
大学学部生レベルの物理化学の名著。学んだアトキンスが何版かでマウントを取り合う人たちもいます。


基礎から丁寧に説明している量子力学。


遺伝子とは?種とは?を探究した名著。


数学とこの世界の生命との不思議な関係性を解き明かしています。

その他おすすめ書籍
これを読んで英語論文を書きました…
(理系英語論文の構文を学ぶなら、同じ分野のきちんとした英語論文の文章を参考にするのが一番良いとは思いますが、日本語思考と英語記述との橋渡しになりました。)



現代の世界情勢を理解するために最低限の世界史の知識は必須!