1: ばーど ★ 2017/12/05(火) 18:17:49.53 ID:CAP_USER9

 JOLED(ジェイオーレッド)は、世界初となるRGB印刷方式の21.6型4K有機EL(OLED)パネルを製品化。12月5日より出荷を開始した。最初の出荷先はソニーの医療部門で、医療用モニターへの採用が決まっている。このほかにも様々な用途に順次出荷予定としている。

JOLEDが製品化した印刷方式の有機ELパネル
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 JOLEDは、産業革新機構(INCJ)とジャパンディスプレイ(JDI)、ソニー、パナソニックの4社が、有機ELディスプレイパネルの量産開発加速と早期事業化を目的として'15年に設立。RGB方式では世界初となる、印刷方式の21.6型4K有機ELパネルを4月よりサンプル出荷開始したことを5月に発表している。

 今回、JOLEDが製品化したのは、RGB全ての有機EL材料を印刷で塗り分けるRGB印刷方式の4K/3,840×2,160ドット(204ppi)有機ELパネル。有機EL材料を大画面に均一に一括塗布する設備技術(パナソニックと共同開発)や、プロセス技術を実用化したことで開発。光取り出し効率が高いトップエミッション構造を採用している。JDIのG4.5パイロットラインで生産され、現在の生産能力は月2,000枚としている。

 自発光方式である有機ELパネルの高コントラストや、色再現性の高さ、高速応答性などを活かし、医療用のほかにもゲーム用モニターや、車載用途などが見込まれる。

■既に医療向けの採用が決定
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 21.6型の画面寸法は478.1×268.9×548.5mm(幅×奥行き×高さ)、ピーク輝度は350cd/m2、全白140cd/m2、コントラスト比は100万:1、パネル厚は約1.3mm。重量は500g。消費電力は14.6W(40%window、6500K)。寿命はLT95@W350cd/m2(初期の輝度から5%減少までの時間)が1,000時間。

横から見たところ。薄さは約1.3mm
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■創業から3年、製品化までの取り組み

 JOLEDの田窪米治CTO & CQOは、創業から約3年で製品化/出荷開始を実現したこれまでの取り組みを振り返りながら、同社技術の特徴や、今後の事業戦略などについて説明。当初は中型パネルを中心とした展開となるが、将来的には同社の印刷技術を他社へ供与することなどで、テレビを含む大型市場へ展開することも進める方針を示した。

 なお、同社の東入來信博社長は今回登壇していないが、「創業3年目で、ついに当社のRGB印刷方式による有機ELパネルを製品出荷できることを、たいへん嬉しく思います。今後は製品展開を加速し、お客様のニーズにあった有機ELパネルの提供を進めるとともに、当社の技術と製品によって世界の有機EL市場に革新を起こしてまいります」とコメントしている。

 田窪CTO & CQOは、5日に行なった会見において、最初の採用となる顧客(ソニーの医療)に製品が到着したという連絡が届いたことを報告。パネルはJDIの石川工場で生産されており、初出荷に先立ち、JDI石川工場のメンバーとともに出荷式を行なったという。

 製品化できたポイントについては、ソニー、パナソニックによる10年以上の開発技術資産、人材を継承できたことを挙げ、「互いの違いを知り、良いところを盛り込みながら、技術開発のシナジーが生まれ、特性なども向上した」と述べた。加えて、JDIによるTFT供給など、既存株主の継続的なサポートも重要な点として説明した。

 今後のパネル量産化に向けた資金面については、10月に日経新聞などで「1,000億円規模の資金調達を検討している」と報じられていたことに言及し、「そのうち生産投資に回るのは2/3。残りの1/3は、生産開始してからリターンを獲るまでの経費として必要となる」と述べた。現在進めている、第三者割当増資による資金調達の時期については、「最終クロージングの3月末を目指して進捗している」とした。

>>2以降に続く

配信2017年12月5日 13:24
AV Watch
https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1095058.html

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