1: しじみ ★ 2018/12/17(月) 13:42:26.31 ID:CAP_USER

アメリカ・ペンシルベニア州のセントラリアという町はかつて石炭鉱業によって栄えましたが、1962年に発生した鉱山内の火災によって住民に退去勧告が発令されてゴーストタウンと化し、それ以降50年近くにわたって鉱山が燃え続けています。そんな鉱山で発生する坑内火災は、地球温暖化の主要な原因であると指摘されています。

Hot as Hell: Firefighting foam heats up coal fire debate in Centralia, Pa. | EARTH Magazine
https://www.earthmagazine.org/article/hot-hell-firefighting-foam-heats-coal-fire-debate-centralia-pa

1962年、石炭鉱業で栄えたセントラリアで無許可のゴミ捨て場から火事が発生しました。地下に掘られた石炭鉱山内にまで火の手が及んだ結果、初期消火活動に失敗。鎮火にかかる膨大なコストや技術面の問題から政府は消火を諦め、自然鎮火を待つ方針を取りました。しかし、鎮火する気配は見られず一酸化炭素を含む煙が噴出するなどの被害が発生し、1992年には州知事から住民に対して避難勧告が発令されたとのこと。

かつて2600人近い人口を誇っていたセントラリアには、いまだに避難勧告を無視して少数の住民が住んでいるとされていますが、火災による影響は深刻なものだそうです。地面に走った亀裂からは煙が立ち上り、放棄された家屋や周囲の森林は燃やされてしまい、強烈な硫黄臭が周囲に漂っています。

最後に消火が試みられてから数十年以上が経過しても、セントラリアの火災はさまざまな方向へ伸びた坑道内に広がっており、収まる気配を見せていません。石炭火災はセントラリアだけに固有の問題ではなく、世界中で発生している問題です。


石炭鉱山で発生する坑内火災は燃料が豊富なため鎮火が難しく、近隣のコミュニティを危険にさらすだけでなく貴重な燃料を意味もなく浪費します。また、燃焼に伴って大量の温室効果ガスも発生してしまいます。セントラリアはアメリカで唯一の石炭火災というわけではなく、ペンシルベニア州だけでもセントラリアを含めて38件もの坑内火災が継続中。アラバマ州やワイオミング州、中国やインドでも長期間燃え続ける坑内火災が発生しており、地球を二酸化炭素で汚染する主要な原因の一つとなっています。

オランダのエンスヘーデにある地理情報科学と地球観測の国際研究所・ITC エンスヘーデによると、中国で発生している坑内火災だけでも、石炭の年間生産量の約20%にあたる年間1億~2億トンもの石炭が燃えているとのこと。中国の坑内火災による二酸化炭素排出量は11億トンともいわれており、アメリカ全体の自動車による二酸化炭素排出量を上回るそうです。

石炭火災の専門家であるGlenn Stracher氏は、 「石炭火災によって発生する煙には二酸化炭素だけでなく、実に60種類もの有毒な物質が含まれています」と語っており、石炭火災によってヒ素・セレン・フッ素・硫黄・鉛・銅・ビスマス・スズ・ゲルマニウム・水銀などが排出されるそうです。テキサス大学ダラス校の地質学者であるRobert Finkelman氏は、鎮火に失敗した石炭火災によって年間40トンもの水銀が空気中に放出されていると推定しています。

いくつかの坑内火災が放置されている原因の一つには、鎮火することが非常に困難かつ危険であるという理由が挙げられます。水をかけると水蒸気爆発の原因となる可能性があり、鉱山の入り口をふさいで酸素の供給を遮断するという方法も、小規模な坑内火災でのみ有効です。セントラリアのように大規模な火災ではトンネルをふさいだ程度で空気の流れが遮断できず、完全に鎮火するには大きな危険とコストがかかるとのこと。


そんな坑内火災を鎮火させるため、 CAFSCO Fire Controlという企業が圧縮窒素を坑内に送り込むという消火方法を考案しました。送り込まれた圧縮窒素は坑内で泡となり膨張して、酸素を含まない泡によって酸素を遮断するとのこと。残念ながら記事作成時点でもいまだにセントラリアの坑内火災は鎮火していませんが、将来的には「数百年は燃え続ける」と見られた火災が鎮火される可能性もあるとのことです。

no title

no title


https://gigazine.net/news/20181217-heat-up-coal-fire-debate/



引用元:http://anago.2ch.sc/test/read.cgi/scienceplus/1545021746/
続きを読む